胸の振子~はてなブログにおひっこし

というわけで、さるさる日記→はてなダイアリー→はてなブログと引っ越しを重ねそして

入院時役に立ったもの(令和バージョン)

今回、手術決定から入院まで3ヶ月強あった。出産と乳腺線維腺腫以外は緊急入院なので準備どころではなく、家族にあれこれ買ってきてもらう展開だったが、今回はたっぷり余裕がある。また、茎捻転等により入院が早まる事態も予想され、ぐだぐだ具合悪い中で、ぼちぼち入院用ボストンバッグを整えていった。

 

病院側から持ってくるものの指示があった。

まず各科共通の「入院のしおり」でティッシュだの洗面道具だのおくすり手帳だのお箸スプーンだの運動靴だの(かかとのある室内履きならいいと思ってふくふくしたのを買っていき、包装開けたらかかとはデザインだけで実際のところ縫い付けてあったのには参った。看護師さんと協議し、滑るなどトラブルが起きなかったため退院まで履いた)

そして「腹腔鏡下子宮全摘術」専用パンフレットで生理用ショーツだのナプキンだの保湿クリーム(クリームは結局入院中は使わなかった)を。

 

持っていって良かったもの

・ノイズキャンセラー機能付きワイヤレスじゃないイヤホン

病院で貸してくれるテレビ用のイヤホンなんかより優秀。この頃はワイヤレスがたくさん出てるけど、ベッドの下や隙間に落っこちた時に面倒なことになりそう。普段かがんで拾えるものが、術後は拾えない、てか動けない。

・USB充電器、なるべくポートが複数で、プラグの折りたたみが可能なもの

病床から手の届く範囲で電源をどれだけ取れるかは、ほぼ運次第。あまり多くないものとして、ひとつのコンセントからあれもこれも充電できるようにしておくと安心。退院する時忘れていかないでね。

・ウエットティッシュ、携帯用を2つ

勿論ボックスティッシュの出番も多いけど、どうしても枕頭台とかテーブルとか、ぺたぺた汚れがつきそうなものはウエットの方が便利。手拭きとして使うのであればアルコールフリーが良いのか、まぁお好みで。携帯用をおすすめするのは、うっかり開けっ放しにしてドライティッシュになってしまっても諦めがつくから…

・お湯を入れるだけで飲めるお茶関係

ここはデイルームに水とお湯の出るマシンがあったけど、お茶がない。昔食事の時にお茶をヤカンでついでくれた気がするけど、いない。

ペットボトルのお茶を買って手元の冷蔵庫に入れとくのもあるけど、あったかいのが飲みたいー!という人のために、我らがルピシアさんが立ち上がった。

https://site.lupicia.co.jp/page/baton/

2019年に出たばかりの製品。茶殻やティーバッグの後始末を考えずに飲める。日本茶に紅茶にルイボスティーもある。

コーヒー派の人はモンカフェよりもブレンディ、というとこかな。

タブレット

荷物になるので散々迷った。個人的には正解。dマガジンを入れてるので、旅行雑誌なんかの綺麗な画像を見てた。

・フェスとかで買った楽しいタオル

シャワー浴(婦人科病棟は風呂がない)に使うバスタオルは貸してもらえる。普通のタオルは洗顔と、枕カバーの代わり。術後しばらくは吐瀉物で汚す心配があったりして差し控えるが、少し良くなると、これ敷くだけでベッドがぱあっと明るくなり、抜け毛も目立たなくなる(かも)

今回はこちらが活躍。ベッベベ。

http://shop.fannect.jp/uchikubigoods/pc/syousai.asp?item=UC-0279

 

「元気そうじゃない」じゃないよ

点鼻薬を1日3回使うことになった。

食前でも食後でも構わない、でも絶対忘れないように、と言われた。

アランジアロンゾの可愛い帆布のポーチに入れて持ち歩くことにした。

点鼻薬、ボールペン、ポケットティッシュ

薬の容器の側面にはチェック欄が貼られていて、1日目から朝昼晩、さすたびにペンでチェックを入れる。

ティッシュはさしたあとに容器を拭き取るため、そしてさしたあとに襲ってくるくしゃみ鼻水のため…勿論さす前に鼻をかんだりするけど、さした刺激でくしゃみが出て、追いかけて鼻水が、そして少なからず薬液が出ていく。

そして、注射ほど重篤ではないにしろ、副作用は来やがる。粘膜から吸収されるせいで、わりと早く来て、その度にポンコツになっていく。

朝は出勤する直前にさした。起きてから家事をこなしている間は明晰でなければ無理。家を出て、交通機関の中で肩で息をする。乗り換えの時も駅構内で一旦腰掛ける。ひどい時はそのまま帰った。

昼は昼休みにさして、午後イチからしばらくは難易度が高い仕事を入れないようにした。同僚にも、この時間帯はポンコツなんだよねごめんなさい、と言っていた。

夜は簡単。寝る直前。

 

だるい。だるさは数値化しづらい。はたから見るとただぼんやりだらりんに見える。

めまいがする。日によって時間によって変動する。

内科で血液検査を受けたところ、鉄の値がとんでもなく低くて、鉄剤を処方された。こちらの副作用が便秘がちになること、つまりおなかぐるぐる急降下が多少は解消。

 

病気を知って心配してくれてた友だちと再会した。

「ああ良かった、思いのほか元気そうで」と喜んでくれた。それは良かった、会えて嬉しかったから元気が出たんだと思う。

職場で同僚が言った。

「元気そうじゃない?」

随分仕事の配置を変えてもらい、いろんな人に応援してもらうことになった。仕事減らされたからお気楽になったように見えるのだろうか。うつむく。

言い返すとほぼ「そんなつもりで言ったんじゃないのに」って返事が返ってくるだろうし。

 

あとはずっと汗。

かーっと暑くなってハンドタオルは2枚以上持ち歩いた。

ウエットティッシュみたいなメンソール入り汗対策シートも使って、顔拭いて目ぇチカチカした。

初めて本物の氷枕を買った。保冷剤タイプのものだと夜中にぬるくなって目が覚めたから。

 

楽しいこともあった。木村洋二明石英一郎の豪華な公開生放送を見たり、ワタシにとってランニングの神様の1人、川内優輝さんのトークイベントに行ったりした。

ライジングサンは、2日目のチケットを買った。ご承知の通り初日は悪天候で中止になり、2日目も不安視されてたけど、晴れた。世帯主様と一緒だったけど、聴きたいアーティストが違うのでほぼ別行動。打首獄門同好会のステージ(午前3時スタート!)はサイコーだった。勿論全て、点鼻薬は必携。

 

リストバンドの部分だけ残して日焼けしたあと、術前最後の検査を受け、仕事は少ないながらも引継ぎに入り、入院の準備は進む。

 

襲いかかるもの

参考までに、ここで注射したものの説明。

中盤の「副作用」コーナーの長いこと長いこと。

https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/24/2499407D2020.html

6月初めの朝、初回の注射。

4週間かけて放散していく薬剤なので、打ったあとを揉まないように強く念押しされる。

そのあと出勤するために病院を出たところ、敷地を出るか出ないかのうちに、地面がぐわんと揺れた気がした。

これが副作用か。

違った。それだけじゃ許してくれなかった。

あまりつらいつらいと言っていると、全く違う病名でお医者さんに行く人々からアドバイスをいただき、副作用を手帳に書き出して、4週間後の診察に持っていった。

・めまい(ずっと)

・耳鳴り(注射後1〜2週間がピーク。ちょうどこの頃、打首獄門同好会という名前はおどろおどろしいが愉快なバンドのライブのチケットを取っていたのに当日になってドクターストップがかかって泣いた)

・多量の出血(注射したからとて即生理が止まる訳ではない、ましてや減らない)

・だるさ(ずーーーーーっと)

・聴覚過敏(ノイズキャンセリングイヤホンなしで外を歩けない。職場内離れた席からでもちょっと大声や大きな音が聞こえると怖い)

・日によって食欲不振(つらい時なぜかトマトとモッツァレラチーズだけしか喉を通らないことがあり、毎日毎日紅白カプレーゼ合戦にしてた)

・下痢(谷山浩子のコンサートで東京に行っていた時、アンコールの曲紹介をしてるタイミングで激しい腹痛に襲われた。もう再入場できず、続きはロビーのモニター画面で観て聴いていた。その時演奏したのが「冷たい水の中をきみと歩いていく」音楽聞こえなくなるはからだ砕けるは命奪われるは、というむごい内容だが、かろうじて命は取りとめた)

4週間後に上記を説明したところ、主治医から注射をやめましょう、とすぱっと言われた。「でもこのままだと筋腫は大きいままで、手術の時大変。もうひとつの治療方法があります」

それが点鼻薬だった。

【大事なお知らせ】治療には大きな個人差があります。あくまでもワタシに降りかかった一例に過ぎません。あなたご自身もしくはあなたの大切な人の立ち向かう治療にあたっては主治医の先生とよくご相談ください。この注射を全否定するわけではありません。

ご一緒に◯◯はいかがですか

紹介状を受け、総合病院の予約を取る。仕事の都合と病院の混み具合から、初診日は5月の終わりになった。休日当番医にかかってからひと月弱経っている。

病院は明るく、新しく、中待合室での呼び出しも名前ではなく基本的に当日渡されるA4の紙に書いてある番号で呼ぶ。

MRIを含めていくつか検査を受ける。院内が広すぎて、場所によっては渡された院内見取図とにらめっこしないと行き着けない。

 

ほがらかな女医さんが主治医になった。

「検査の結果は少なくても片方の卵巣は摘出。子宮は、筋腫だけ摘出して閉経を待つ考え方もあるけど、また筋腫ができてしまう可能性がある、どうしましょう?」

と聞かれた。

「再発に怯えるくらいなら、全摘してください。」と答えていた。

 

基本的に内視鏡手術。腫瘍のない卵巣は残す予定。

だが、これまで帝王切開、子宮外妊娠、虫垂炎、と腹部の手術を重ねてきたため、臓器の癒着も想定している。その場合、開腹手術、摘出する臓器が増える恐れもあると説明は続く。

「フタを開けてみないとわからない」

という言葉が浮かんだ。

 

手術は9月、先生はその場で端末を叩いて予約を入れる。摘出前に少しでも筋腫を小さくするために、次の生理が始まったらホルモン剤の治療を開始することになった。4週間ごとに注射をしていくので、入院までに3回くらい受診し、その最終回で家族への説明と術前検査をすると。

 

ご一緒に子宮摘出もいかがですか、なんてファーストフードのお店のセールストークではないか。しかし、閉経までの数年とはいえ、この見えない不安と、次第に増えていく「『特に多い日用』が1時間持たない」「いつ来るか怖くてボトムスは黒か紺しか着用できない」日々に立ち向かうのに疲れていた。

 

ホルモン剤による外来治療についてはパンフレットによる説明を受けた。このパンフレットはその後他の医療機関、職場、家族などに説明する際にも大活躍することになる。勿論ワタシ自身もよく調べて、納得していた。いたはずだった。

治療が6月初めにスタートして、それはあらかた吹っ飛んで砕け散っていった。

休日当番病院にて

平成から令和への10連休の前はとてもとても忙しかった。年度が変わって元号が変わって人事異動でメンバーが変わって、実質的に2人分くらいの仕事をこなしてて、ああ休みはカレンダー通りに休めるからうちで掃除でもしよう、と思ってた。

ところが、令和になってからどうも腹部の鈍痛が強い。だんだんと悪い予感のする痛さになったので、当番病院にかかる。悪いことは重なるもので、行った途端に昼休み休憩となり、午後の診察が始まるまで待合室で待つことに。座れただけ良し。

診察してくれた先生いわく、子宮も卵巣もかなり腫れており、チョコレート嚢胞も持っているのでもう経過観察から次の段階に進む時期だと。かかりつけ医でMRI検査をしたことがないか聞かれ、ないと答えたら、ここでできるがどうする?と聞かれた。

待ち疲れたので、連休明けにかかりつけ医に診てもらうこととする。

かかりつけ医は産科がメインで、MRIはない。紹介状を書いてもらい、以前子宮外妊娠で死にかけた時お世話になった総合病院へと移る。

この辺で、おおよそ覚悟を決める。

見つかったのは健康診断で

子宮がん検診を受けた際に、卵巣嚢腫を指摘され、年数回かかりつけ医で経過観察を受けて5〜6年。

摘出するかどうか微妙な感じで大きくなったり小さくなったりを繰り返していました。一番恐れていたのが茎捻転(けいねんてん)といって、膨れ上がる卵巣が重みで卵管をねじり、最悪臓器が壊死する、というとても痛いものですが、これは免れました。詳しく言うと、3年くらい前に下腹部の激痛で茎捻転を疑ってたら結局虫垂炎だった、ということも。

子宮筋腫は並行して診てもらい、それほど悪さをせずにいました。だってこの世代で持ってる人たーくさんいるよって言われたり。

確かに疲れやすく、いろいろ試してもおなか痩せない、食べすぎかなぁ、みたいなのが、あとから考えれば病気のサイン。なかなかわかりませんよね。卵巣は自覚症状がはっきりしないです。

だから、検診。そして、かかりつけ医に相談しましょうね。

手術をしました、今度は別な

お久しぶりでございます。


乳腺線維腺腫という良性の腫瘍の摘出手術を受けたことから始まったこちら、随分休んでいましたが、


このたび、子宮筋腫卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞により、子宮を全摘、片方の卵巣と卵管を摘出する手術を受け、現在自宅療養中です。


詳しくは、こちらを使いながらおいおい記録していく予定です。


こちらを読んでいるあなたへ。


乳がん検診も、子宮がん検診も、受けてください。

あなたの大切な人にも、受けるように声を掛けてください。