胸の振子~はてなブログにおひっこし

というわけで、さるさる日記→はてなダイアリー→はてなブログと引っ越しを重ねそして

ご一緒に◯◯はいかがですか

紹介状を受け、総合病院の予約を取る。仕事の都合と病院の混み具合から、初診日は5月の終わりになった。休日当番医にかかってからひと月弱経っている。

病院は明るく、新しく、中待合室での呼び出しも名前ではなく基本的に当日渡されるA4の紙に書いてある番号で呼ぶ。

MRIを含めていくつか検査を受ける。院内が広すぎて、場所によっては渡された院内見取図とにらめっこしないと行き着けない。

 

ほがらかな女医さんが主治医になった。

「検査の結果は少なくても片方の卵巣は摘出。子宮は、筋腫だけ摘出して閉経を待つ考え方もあるけど、また筋腫ができてしまう可能性がある、どうしましょう?」

と聞かれた。

「再発に怯えるくらいなら、全摘してください。」と答えていた。

 

基本的に内視鏡手術。腫瘍のない卵巣は残す予定。

だが、これまで帝王切開、子宮外妊娠、虫垂炎、と腹部の手術を重ねてきたため、臓器の癒着も想定している。その場合、開腹手術、摘出する臓器が増える恐れもあると説明は続く。

「フタを開けてみないとわからない」

という言葉が浮かんだ。

 

手術は9月、先生はその場で端末を叩いて予約を入れる。摘出前に少しでも筋腫を小さくするために、次の生理が始まったらホルモン剤の治療を開始することになった。4週間ごとに注射をしていくので、入院までに3回くらい受診し、その最終回で家族への説明と術前検査をすると。

 

ご一緒に子宮摘出もいかがですか、なんてファーストフードのお店のセールストークではないか。しかし、閉経までの数年とはいえ、この見えない不安と、次第に増えていく「『特に多い日用』が1時間持たない」「いつ来るか怖くてボトムスは黒か紺しか着用できない」日々に立ち向かうのに疲れていた。

 

ホルモン剤による外来治療についてはパンフレットによる説明を受けた。このパンフレットはその後他の医療機関、職場、家族などに説明する際にも大活躍することになる。勿論ワタシ自身もよく調べて、納得していた。いたはずだった。

治療が6月初めにスタートして、それはあらかた吹っ飛んで砕け散っていった。