はしご
二段ベッドをばらして、ひとつずつコドモにあてがうと、
付属のはしごが余った。
他の何にも使えないし、
かといって捨てるのはしのびないし、
(将来再び二段ベッドになったときには必要だし)
納戸に仕舞っておくことにした。
車庫の天井、小さな納戸まで上がるのには、専用のはしごがある。
うちを建てる時に、
丁度いい大きさのはしごを、端材で作ってもらって、
ずっと使っている。
普段はしごをひっかけておく場所も作ってもらってある。クギ2本で。
はしごをかけて、はしごをしまった。
納戸は今、結構混雑している。
冬の間少年野球の廃品回収がおやすみなので、
大量の古紙がストックされているから。
回収日には、はしごをかけて、納戸から古紙を下ろして、
きっとその頃には、スキーを納戸に上げる。
川上弘美「光って見えるもの、あれは」中公文庫、読了。
ひととひとのあいだ、男と女のあいだ、時代と時代のあいだ、
島と島のあいだ、見えないはしごがかかっている。
このはしごは端材ではなく、古今東西の美しい詩歌でできていて、
読み返す時のために、巻末に出典一覧が載っている。