殴られた話
おことわり 不愉快な文面が含まれています。
悪い夢だと思いたいけれど、これは現実に起こった話。
午後、窓口対応中、中年の男に一方的に怒鳴られ、
説明しようとメモを書いたら
その手を素手で殴られた。
大声を上げたけれど、同僚は誰ひとり来なかった。
「(対応が)生意気だ、名前を見せろ」といわれたので、名前は話した。
こちらは一般的な説明しかしていない。
当時別席で打ち合わせ中だった上司に説明メモを作った。
読んだけれど、リアクションはない。
怪我はしていないけれど、
右手にはいまだに力が入らない。
隣のカウンターにいて目撃していたはずの同僚にそれを話すと、鼻で笑った。
字を書くのが怖い。
キーボードに向かっても、いつもよりひどく時間がかかる。
胃が痛い。
眠れない。
怪我をしていないので、警察沙汰にはできない。
それなら、この状態はどうすればいい?
昨日どうやって帰ってきたのかよく思い出せない。
切れ切れの記憶の中で、パン屋さんの奥さんが右手におつりを渡そうとして
「冷たい手だねえ!」と驚いたのは妙に残っている。
ほとんど屋根のあるところを歩いてきたにもかかわらず。