胸の振子~はてなブログにおひっこし

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術前/術後

手術前日に入院。

4人部屋は2つ空きベッド。ワタシの他に1人だけ患者さんがいて、この日手術で、付添いの家族や看護師さんや時々主治医が行き交い、ばたばたしていた。

当日は開始予定が少し早まり、午前10時半前には病室を出ることになった。

そこそこ歩けるので手術室へはストレッチャーも車椅子も使わず、歩いて行く。途中、手術室と病棟とを結ぶ、普段使えない特別なエレベーターに乗った。

降りると同行した看護師さんともども、取り違えのないように厳重な本人確認を受け、扉が開く。

総合病院なので手術室はいくつもある。ここではまだ眼鏡をかけていて良いので、「探検バクモン」のように普段見られない裏側をきょろきょろ見て、でも言われるままずんずん奥まで突き進む。

 

手術台は幅が狭いので、落ちないように眼鏡をこの辺りまでは掛けていられて、気をつけて気をつけて横になってから預かってもらう。頭の向きがどちらなのか一瞬迷う。その細く伸びた部分は、足首ではなく腕を固定するものだった。

てきぱきと準備が進み、折々声を掛けられ、意識してはっきり返事をする。点滴入れる場所を確保して、酸素マスクが付けられ、少しずれてるけどこれわざとなんでそのままでいいですからねー、と言われ、そうですかわかりましたと言

 

*  *  *

 

再び声を掛けられた時は繰り返し名前を呼ばれており、点滴の袋のあたりに吊るされた確か銀色の袋に、摘出した臓器等が入っていると聞かされた。これから本体を離れて組織検査に向かうらしい。まだ眼鏡がないので見えない。

ぼんやりと病室に戻ってきた。今度はストレッチャーで。

当初の予定では2時間半程度で済むんだったのが、案の定臓器癒着が進んでいて、4時間かかってしまったそうだ。有り難いことに開腹に切り替えることなく、切る長さは最小限で済んだ。退院時に明細を確認すると、麻酔は追加されていた。

飲水の許可が出てもそんなに欲しくない。ポカリを勧められたが手をつけず、ゆっくりゆっくりゼリー飲料を流し込み、これなら飲めそうですかと冷蔵庫から出してストローをさしてもらったジャスミン茶は、一晩かかっても飲み切れなかった。

お腹はどうなっているか寝ててよくわからなくてとにかく痛い。喉に挿入されていた管の痕跡と、尿管にまだ刺さっているカテーテルがひたすらに不愉快。

 

気がついたら、同室の患者さんが増えて満室になっていた。